今回、来てくれた旅行者のツアーで、一番のイベントは乗馬トレッキングだったと、個人的には思っている(参加者それぞれにとっては、別のところがメインだったかも知れないが)。
我々一行は、村の近くの山にある「ボズ・ウイ」に泊まった。ボズ・ウイはキルギス語で「灰色の家」で、遊牧民の天幕のこと。羊毛で作ったフェルト(灰色)で天幕を張るのでこう呼ぶ。ロシア語だと「ユルタ」。モンゴル語だと「ゲル」かな?
さて、ボズ・ウイに泊まった翌日、次の宿泊地まで馬を借りて移動。この時の行程が4時間かかった。休憩時間を除けば、3時間、馬に乗っていた。
参加者は、これまで馬で通勤・通学・買い物をした経験はなし。馬はおろか、ロバでも通勤なんかしたことのない軟弱者ばかりであった。が、当日、「はい、あなた、この馬に乗ってぇ。次の人はこっちの馬に乗ってぇ」という感じで、注意事項の説明を受けることもなく、いきなり鞍にまたがされた(説明をせずに乗せるのは、ガイドの側も接客に慣れていないから、乗馬初心者に対するノウハウがないせいである)。
子供の頃から馬と共に生活して、馬の顔つき・息づかい・仕草・糞などを見れば、馬がどういう状態であるか、何を欲しているか、どうやって人間様の言うことを聞かせればよいか熟知しているガイド達とは違うのだぞ! 馬が暴れたらどうしてくれる? とあまりにも素っ気ないガイドの応対に不安と不満を抱きつつ(とは言うのは嘘で、実はこんな感じになることは大体予想できていたのだ)、乗馬開始。
一番最初だけは、発進・方向転換・停止の手綱さばきだけは教えてもらった。これも、こちらから頼まなければ、ガイドから自発的に教えるということはなかったと思う。
いや~、楽しかった。と同時に、おケツが痛かった。歩くだけでも結構な振動があった。キルギス人たちはパッカパッカと馬を走らせているが、おそらく腰は浮かしているんではなかろうか。でなければ、男の場合、急所がかなり痛いことになりそうなのだが、さてどうだろう。
(と書いた後に、馬を走らせている男性を目撃。腰は浮かせず、鞍に座っているように見えたが、衝撃を受けないためのコツがあるんだろう。)
この時季、雌馬は6月頃に出産した子馬についているので、乗馬に使った馬はすべて雄。そのせいなのか、時々、馬同士で小競り合いが起きて、乗っている側としてはヒヤッとした。それに急に小走りに駆け出したり、草を食べ始めたりで、こちらの思うように動かないこともしばしば。そういうことを含めても楽しい体験であった。
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