曜日についておまけ程度の話を追加。
まず中国語。中国語でも、曜日を表わす単語は「星期一、星期二、…」と、月曜日から順に数字を付けて呼んでいる。日曜日だけは「星期日」となる。月曜日から、1,2,3…と順番に呼んでいくのはキルギス語とも共通している。
古来からの自国語の曜日名があったのだが、このような呼称に変わったのだと読んだことがあるように思う。植民地支配を受けたことの影響があったのではないかと想像する。
英語は月曜から、Monday、Tuesday、Wednesday、Thursday、Friday、Saturday、Sundayである。
英語の曜日名については、前々から疑問に思っていたことがあるので、今回、ブログを書くのを機会に辞書を引いてみた。私の疑問というのは、Sundayの"sun"は、「太陽、日」のことだから、そのまま訳せば「日の日」となり、日本語の「日曜日」と似ている点である。さらに、Mondayの"Mon"も"moon"(月)と似ている。もし"moon day"が語源だとすれば、これも「月の日」であり、日本語の「月曜日」と類似している。果たして、英語の曜日名は太陽や月と関係があるのだろうか?
手持ちの電子辞書に入っている『ジーニアス英和大辞典』でSundayを引いてみると、「sun(太陽の)+day(日)」が由来であると説明があった。やはり、「日の日」だったのだ。ついでに『オックスフォード現代英英辞典』でも調べてみると、ラテン語の「dies solis」から翻訳された単語だとある。昔住んでいた町にあったパスタ屋の店名が「Sol」だったから、それが「太陽」を意味するのを覚えている。
続いてMonday。『英和辞典』に「Mon-(月=moon)+day=月の日」とある。これも予想した通り「月の日」であった。
Tuesdayは「チュートン族の軍神Tues(ティウの)+day(日).Monday(Martis dies)のなぞり」(英和辞典)と説明されているが、これは意味がよく分からなかった。『英英辞典』では「ラテン語の"マルス神の日"の訳。ゲルマニアの神Tiwにちなむ」とある。
Wednesday:英和「ゲルマン神話の神ウォーデンの(Wode's)+day(日)」。英英「ラテン語の"メルクリウス神の日"の訳。ゲルマニアの神Odinにちなむ」。
Thursday:英和「北欧神の雷神トール(Thor)の日」。英英「古英語の"雷(thunder)の日"から。ラテン語の"ユピテウス(雷神)の日"の訳」。
Friday:英和「Fri-(北欧神話の女神Frigg)+day」。英英「ラテン語の"ビーナスの日"からの訳。ゲルマンの女神Friggaにちなむ」。英和の説明に「キリストが十字架に架けられた日なのでキリスト教では不幸の日とされる」。さらに"TGIF"についても触れている(この言葉は面白いので、ご自分で調べられたし)。
Saturday:英和「Satur(ローマ神話の農耕の神サトゥウヌスの)+day(日)」。英英「古英語"サトゥウヌスの日"から。ラテン語の"サトゥウヌスの日"の訳」。英和辞典には関連項目として、"Sabbath"という単語があり、それは「ヘブライ語shabbath(休息)」から来た言葉で「安息日」を意味するそうだ。前のブログ記事(曜日の話あれこれ ロシア語編)で書いた、ロシア語のсуббота(土曜日)と、ここでつながった! Молодец!(でかした!)
以上、英語の曜日名の由来。長々しくなったので、飽きた方もいるだろうが、調べている私にはたいそう興味深かった。
最後に、『英和辞典』のSundayの説明に驚くべきが書かれていたので、それを記しておく。
《米》では週の初日、《英》では週の最終日;正式には国際標準化機構の決定で第7日とされる(1971年より)。(『ジーニアス英和大辞典』)
国際何とかに基づけば、週の始めは月曜日と決まっているんだと。ホゲッ!
ほう、興味深いですね。
返信削除ちなみにスペイン語で月曜日は lunes
月がluna だから何か関係があるんですかね。
辞書で一応調べましたが、出てきませんでした。
ayumuさん、コメントありがとうございます。
返信削除英語のMonday(← moon day)は、元はラテン語のlunae diesから来ているそうです。英語よりもラテン語の原型に近いスペイン語ですから、lunesは「月の日」で間違いないでしょうね。
英語ではどうしてmoonという言葉になってしまったのかと思い、辞書を引いてみたら、古英語では月のことをmonaと言っていたそうです。ラテン語のlunaeの"L"が訛《なま》って、"M"に変わってしまったのではないかと思います。あくまでも推測ですけど。