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2012/06/23

【マルシュ百景】 荷物輸送としてのマルシュ

ずいぶんしばらくぶりのマルシュルトカ(маршрутка)の話。

マルシュルトカ(乗合いワゴン)は、自家用車がない人にとっては、国内移動をする際の一番の交通手段である。私も村に在住の頃は、首都と村の間を長距離マルシュ(日本人の中ではマルシュルトカを略してそう呼ぶ。地元の人は使っていない呼び方)で移動するが常であった。

マルシュの乗り場に行くと、本人は乗らずに荷物だけ預ける人を見かけることがあった。どうするのかと不思議に思って見ていると、運転手に電話番号を伝えている。そのままマルシュは出発。

何時間か走って、どこかの村に近づくと、運転手が誰かに電話をする。「もうじき○○に着くぞ。あんたどの辺にいんの?」みたいなことを話している。これは荷物の受取人と話しているのかと聞いていると、果たして、しばらくすると道端に人が立っていて、マルシュもそこで止まる。そして、預かってきた荷物を渡すのである。

ふ~ん、マルシュは荷物輸送の手段にもなるのだね。金を払えば「宅配」もしてくれるのかも知れない(あまりにも奥地は無理だろうけど)。

キルギスでは郵便局による小包の郵便サービスは整っていない。荷物を遠くの家族・知人に届けようとした時に、その方面に行く誰かに預けるか、そういう人がタイミングよく見つからなければマルシュの運転手に預けることになるようである。

日本国内に住んでいる人は気づきにくいことだと思うが、日本の郵便サービス、加えて民間の宅配サービスというのはすごくきめが細かく、かつ高い質である。そういうサービスがある国であることを日本人は誇ってよいと思う。

日本のような配達サービスが整っていないキルギスでは、マルシュのような人の移動手段に便乗させて荷物を届けるのだ。それも地元の人の知恵である。でも、携帯が普及するまでは、そういうのも思いつかなかったかも。あるいは、受取人が主要な停留所まで行ってまっておくとか、かな。

2012/05/30

Train at Bishkek 2 station.

前に書いた第2ビシュケク駅(Вокзал Бишкек 2)で撮影した鉄道車両の動画。

鉄道ファンが見たら「!」となる映像なのかしらん?

一日に何便も出入りがあるわけではなさそうで、停留している車両がなんとなく手持ち無沙汰な雰囲気。

貨物運送としても使われて走行している姿も見たことがあるが、今は大型トラックにその座を奪われているようである。特に、中国からの物流は、キルギス-中国間の鉄道線路がないので、トラックにならざるを得ない。キルギスの線路は、ソ連時代にモスクワへの物流手段として作られたものなんだろう。

客車のある国内便も走っているが、こちらも利用する人は少ないようだ。一部の区間では線路と、車の幹線道路が並行しているのであるが、列車のほうが車に追い抜かれている。車より遅い、っていうのが、日本の鉄道の事情とはかなり違うんじゃないか。

車のほうが速いっていうことと、線路は国内のごく限られた区間しか敷設されていないことがあって、ほとんどの人にとっては鉄道移動は使い勝手が悪い。みんな、基本的にはマルシュルートカ(маршрутка、路線乗合ワゴン)か乗合タクシーを利用している。

帰国まで残りわずかだが、一度は乗っておきたいと思っている。乗車体験者によると、夏場は車内がめちゃくちゃ暑かったらしいけどね…

2012/05/28

Вокзал Бишкек(Bishkek Station)

Я снимал фотографии вокзала Бишкек. (Pic1)

IMG_1529 
(Pic1: Вокзал Бишкек/Bishkek Station)

По правде говоря, он назвается “Вокзал Бишкек 2”. Однако я не знаю, где первый вокзал находиться…

Отсюда могут ездить в  Москву. (Pic2)

時刻表
(Pic2: Железнодорожное Расписание/A Timetable of departures and arrivals)

These are photos of Bishkek Station.  Actually the name of station is “Bishkek Station 2”. Maybe, the Station 1 exists somewhere in Bishkek, though I don’t know where it does.

You can travel to Moscow from this station. It seems that every 4 days a trains depart from here, and also arrive to here.

Pic3 & 4 are trains which are standing by at the station. I think cars of trains are more than Japanese trains.

IMG_1518
(Pic3)

ビシュケクの鉄道駅。「ビシュケク駅2」と書いてあった。「2」ってことは、どこかに「1」もあるはずだが、どこにあるのか私は知らない。(Pic1 駅舎外観)

時刻表を見ると「ビシュケク-モスクワ」とあり、ここからモスクワまで行けることがわかる。駅員らしき(もしくは警備員)男性に訊いたところ、モスクワまでは4日かかるそう。(Pic2 時刻表)

私が行った時はいつも客がいなくてがらんとしているのだが、鉄道の出発・発着の日であれば人出があるのかも知れない。そういう時の駅の風景も見てみたいものだ。

train
(Pic4)

Pic3と4は、線路に停車していた車両の写真。Pic4の青い車両は動いて、旅客車両との連結作業をしてたみたいだった。鉄道マニアが見たら何の作業かだいたい察しがつくのだろうが、残念ながら私はその方面はとんと知識がなく、「あ、動いてる」程度の認識。動画も撮ったので、機会をみてアップしておく。

2012/05/03

デモはなし

5月1日から公共交通料金の値上げが実施され、それが引き金となってデモが起こるかも、ということで多少の用心はしていたが、結局、デモはなかった。

私は通勤にマルシュルートカを利用しているが、今まで8ソムだったのが10ソムとなって、大きい札を心理的に出しやすくなった気はする。8ソムだと、10ソム、20ソム、50ソムと、どの紙幣を出しても小銭(2ソム)の釣りが出る。

運転手は運転をしながら、釣り銭も用意して渡すので、手が空いていない時は、釣りは後回しになる。あるいは、小銭がない場合も、小銭で支払う客が乗って来るまで待たされる場合もある。そういういくつかのケースで、マルシュの中で釣り銭を受け取るのは難しい時があり、何度か釣り銭をもらい損ねたこともある。

料金が10ソムの場合、20ソム紙幣で支払えば、10ソム紙幣、または10ソム硬貨の釣り。50ソムで支払えば、20ソム紙幣が2枚で釣りはちょうどとなる。

かと思えば、釣りがジャラ銭で返ってくることもあるから、こちらの思惑通りにはならないのではある。

2012/05/01

公共交通料金の値上げ

今日、5月1日からビシュケク市内の公共交通料金が値上げされるそうだ。昨日、職場に来ているアメリカ人ボランティアから教えてもらった。「値上げに反対するデモが起こるかも知れないから、念のために気をつけたほうが良いよ」とアドバイスをもらった。

私なぞは、「ああ、値上げになるのか」と料金のことしか思わなかったが、そのアメリカ人は2010年にキルギスで起こった革命当時にビシュケクにいたので、そういうことに注意が向くのかも知れない。

今回の値上げは、マルシュルートカ(乗り合い小型バス)がこれまでの8ソム(14円)から10ソム(18円)、路線バスが6ソム(11円)から8ソムとなる。日本円で見ると微増だが、値上げ率で見るとマルシュルートカが125%、路線バスが133%。例えば、180円のバス・電車の料金が200円に上がったとして、その場合の値上げ率は111%だから、そういうのと比較すると、ビシュケク市民にとっては負担感が大きいのも想像できるのではないか。

私を含めて、協力隊たちは日本人なのだから、“たった4円”の値上げと受け止められなくもないが、半年、1年と現地で暮らしていると、その“たった4円”が高いものに感じられるのだ。だって、出勤時の往復で考えたら毎日4ソムの値上げ。月20日出勤で80ソムの値上げとなる。

とは言うものの、ビール1Lでそれくらいの値段がするわけで、交通料金の値上げに関わらず、しょっちゅう無駄遣いはしているのだから、値上げのことをとやかく言うのも恥ずかしいのではあるが…。

2012/01/18

【マルシュ百景】 目の前に牛!

(「マルシュ」は定路運行の乗合バス、маршрутка/マルシュルートカ/のこと。)

キルギス人の家では、牛や羊、馬などの家畜を飼育している(イスラム教徒なので豚はいない)。

夏場は山腹のほうに、飼育に適した草が生えるので、ジャイロー(жайлоо)と呼ばれる放牧地に、家畜を連れて行き、羊飼いに預けてそこでひと夏を過ごさせる。

10月頃には、山のほうは気温が下がり、草もなくなってくるためだろう、家畜たちはジャイローを引き上げ、村の各家に戻される。

なぜ、こんな話が乗り物のマルシュと関係があるのか。

冬の間、村に戻された家畜たちは、日中の間、村はずれの平原などに移動させられ、そこで草を食べて過ごす。そして夕方、日が沈む前に家になるとそれぞれに家に戻ってくる。

だから、この秋から冬の時季、田舎道を通ると、そこかしこに馬、牛、羊が草を求めてウロウロしている。普段、牛や羊が離されている環境で暮らしている日本人など、ほとんどいないから誰も知らぬだろうが、こういった草食動物たちというのは、平原なら平原の一ヶ所でずっと草を食べているわけではない。考えてみれば当然だ。同じ所で食べていれば、自分たちが草を食べ尽くしてしまう。したがって、牛や羊たちは、少しずつ場所をずらしながら、草が生えている所を求めて動いていくのである。

家畜たちが平原の中だけを移動しているなら何も問題はないのだが、時に平原の中に道が通っていることがある。いやなに、人間が平原の中に道を作ったまでのことで、牛や羊らにしてみれば、道を隔てた向こう側の平原においしそうな草があれば、そっちへ移動するまでのことだ。

このようなわけで、冬場は都市間を結ぶ幹線道路でも牛、羊、馬が横切っていることがしばしばある。

私たち協力隊員は、キルギス国内で移動する時はマルシュ、または長距離タクシーに乗るしかないが、自分の乗っているマルシュ、タクシーの前に牛などが横切る時があって、これがたまにヒヤッとする。

マルシュが100km/hを超えて走っている前方に、道の真ん中に牛がのっそのっそと歩いている。ぶつかれば、もちろん牛は死ぬだろうが、車のほうもただでは済むまい…。

ushi1

ushi2

上の写真はマルシュではないが、状況としてはこんな感じである。牛が通行車両にお構いなく、マイペースで道を渡っていき、車がそれを避ける、または停車して待つのが伝わるだろうか。

私が見るところ、一番、車に動じないのはロバ。車からどんなにクラクションをならされても、ジ~っと立っていることがある。ちなみに、犬というのは車が来たら避けることを知っていて、道を渡る時にもちゃんと見ている(それでも轢かれてしまうことはあるのだが…)。

2011/12/19

乗り物運賃

最近、首都ビシュケクに行く用事があり、マルシュルトカで移動した。300kmの距離を4時間弱の移動で運賃250ソム(約440円)。

マルシュルトカはコースが決まっているから、どこか適当なところで降りて、そこから宿(ビシュケク在住の隊員宅)までバス、タクシー、あるいはビシュケク市内マルシュを使って移動することになる。

驚くのは、村から首都まで4時間弱乗って250ソムの運賃なのに、市内でタクシーに乗ったら15分で200ソムであることだ。村から首都までマルシュではなく、タクシーを使ったとしても最大400ソム(季節によって変動)であるから、ビシュケク市内のタクシーがいかに高いかが分かるだろう。

村の感覚でいったらそうしょっちゅうタクシーに乗れるものではないが、首都ではタクシーが何百台と走り回って、客も乗っているのだから、やはり首都の住民は所得が高いということか。都市部と地方では、かなりの所得格差が存在するということだろう。

2011/11/14

右側通行と右ハンドル車

キルギスではソ連時代を除けば、国産車がない。ソ連時代の国産車と言っても、それはキルギス以外で生産されたものである。

現在走っている車両は、旧ソ連の車、また日本、ドイツからの輸入車である(ごくたまにフランス車も)。職場の同僚が言っていたが、「日本で中古になった車も、ここでは新車」という感じである。

随分前になるが、ロシアが、右ハンドル車を禁止する法律の施行開始を延期したというニュースがあった。この法律は、実質的には日本からの中古車輸入を制限し、締め出すためのものであったらしいが、日本製中古車の輸入業者や、日本車を求める消費者からの反発が強いことから、実施を見送ることになったと伝えられていた。

「日本車締め出し」と聞くと、感情的な部分ですぐに「なんだと!」と反応してしまう。しかし、単に経済的な締め出しという以外にも、交通事故を減らすためにロシア政府が右ハンドル車を減らしたいというのも一理ある。

ここキルギスもロシアと同様、車は右側通行である。右側通行の国では車の運転席は左側にあるのが基本である(逆に日本のように左側通行であれば、運転席は右側だ)。何でそうなのかとあんまり考えることはなかったが、キルギスに来て分かった。

片側一車線道路で、前の車を追い抜くために対向車線に出なければならないが、その時、対向車が来ているか確認するために、右ハンドル車は左ハンドル車よりも大きく左にずれなければならない。

oinuki01
右ハンドル車は、左前方の視野が狭くなる。

oinuki02
先を見るためには中央線よりにずれなければならない。

私が住んでいるバコンバエバ村から首都まで移動するのは、乗り合いワゴンかタクシーである。約4時間。首都のビシュケク市近郊に行くまで、3時間ほど信号機はひとつもない。

当然のことながら、ドライバーは飛ばす。舗装が傷んで凸凹した道でも、カーブでも、100km/hを超えて走ることも当たり前である。進行方向に遅い車があれば、どんどん抜いて行く。

この時、乗った車が右ハンドルの日本車だと、ヒヤヒヤさせられる場面が何度か訪れる。追い抜こうと左に寄ったら、対向車がすぐそこまで来ているというようなことである。この点において、キルギスでは私は右ハン日本車は乗るのを避けたいと思ってしまうのである。

2011/11/09

押しがけ応援隊

「押しがけ」なんて言っても、ピンと来ない人も多いのだろうか? バイクや車のバッテリーが上がって、セルモーターでエンジンがかからない時、バイク・車を押して勢いをつけたところでギアを入れて、エンジンを始動させる方法である。これはマニュアル車でできる方法で、詳しくは分からないのだが、オートマ車ではできないはずである。

※ネット検索をしたら、やはりオートマ車では押しがけはできなかった(以下のサイトなど参照)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q138184598
http://oshiete.sponichi.co.jp/qa5107734.html

日本で乗っていたバイクが、たまにセルモーターでエンジンがかかりづらいことがあり、押しがけでエンジンをかけたことがよくあった。車(マニュアル車)でも下り坂を利用してやったことがあったが、今の日本なら、ほとんどそういうトラブルは起こらないだろう。

キルギスで、特に田舎で走っている車の多くは、ソ連時代の「(ソ連の)国産車」で、私はキルギスに来るまで見たことも聞いたこともない車種・車名の物である。ソ連時代の車ということは、一番新しくても1990年製、実際にはそれ以前の物だろうから、30~40年くらい使われている車両もあるはずである(外車マニアとかなら、車両モデルを見れば「19xx年製だ」と分かるのだろうが)。

車両の古さ、当時の生産技術、使用環境(ほこりっぽい、寒いなど)があって、エンジンがかからない車はしょっちゅう見かける。村内を歩いていると、エンジンがかからない車を2~3人の人たちで押している光景にしばしば出くわす。

 押しがけ
(バッテリーあがり、ガス欠などで車を押している人はよく見かける)

私は、押しがけを手伝うのが好きで、押しがけをしている車を見ると、駆け寄っていって一緒に押してしまうのである。小さな達成感がある。車の所有者にしてみれば毎度のことだから、押しがけで始動するのは当たり前。手伝っても礼を言わない人もいるが、礼の言葉があるなしに関わらず、私は押しがけが好きなのである。

2011/10/28

マルシュのパンク

  先日、長距離マルシュ(乗り合いミニバス)に乗っていたら、「パーン」と音がしてガタガタと車の挙動がおかしくなった。すぐにパンクと分かる状態。右後部のタイヤから音がしたのだが、私はちょうどその真上の席に座っていた。

運転者は徐々にスピードを落とし、道端に停車。タイヤ交換が始まった。

pankture2

やはり右後部のタイヤがパンクしていた。

pankture

乗客は、作業(ジャッキで車体を上げる)をしやすくするため、自主的に外に出て作業を見守っていた。タイヤ交換は15分程度で終わり、再出発。

マルシュの故障は多いと聞くし、実際、路肩で修理をしている車はよく見かけるのだが、自分が乗っているマルシュにトラブルが起こったのは初めて。事故につながるものでなくてよかった。

それにしても、交換したタイヤも溝が浅かったが、中古か何かで買ったのか…?

2011/08/09

交通事故

1ヶ月以上前のことだが、交通事故を目撃した。

ちょっと離れた場所から「ドシャーン、ガ、ガ、ガ」みたいな大きな音が聞こえて、そちらを見るとバンが横転していた。自分の用事があったので、すぐに野次馬で馳せ参じはしなかったが、1時間後くらいに見に行ってみると、

crush1

バンはすでに起こされていて、前がご覧の通りに…。そして、離れた場所からは陰になって見えなかったのだが、もう一台別の車体が、車道から下に落ちていた。

crush2

こちらも前がグチャグチャに。運転席がかなりえぐられていたので、これは前席に乗っていた人はダメだったんじゃないかと思った。翌日、村の人に聞いたら、やはり死者が出ていた。おそらくこの車の運転手だっただろう。

普段、村から別の町・村へ行く時はマルシュルートカ(ミニバス)やタクシーを使うが、有料高速道路がないこの国では、一般道でも最高120km/hくらいまで出す。幹線道路は基本的にアスファルトが敷かれているが、ところどころ剥がれて凸凹している。だから、ちょっとした操作ミスで対向車線に行ってしまうことはよくある。根本的にはスピードの出し過ぎが問題なのだが…。

それでも、想像するほど事故を見かけないのは、そもそも人口が少ないし、その中でも車の保有率は日本ほどではないから、走っている車は少ないからであろうか。

2011/06/30

マルシュルトカ百景 ~ 揺れる道中 ~

キルギスの移動といえばマルシュルトカ。自分の任地の村から首都へ移動する時も、マルシュルトカを利用する。

移動時間は約4時間。この間の道中、マルシュルトカは揺れ続ける。これはマルシュルトカの問題ではなく、路面の問題であるから、実際にはマルシュルトカ以外のタクシーでも、一般の車でも条件は同じである。

車が縦にガクンガクンと揺れると、乗客も揺れるのだが、居眠りをしていると首を痛める危険がある(というか、実際に首が痛くなったことは何度もある)。

マルシュルトカは通常15~20人の乗客を乗せるが、その中には、2~3歳くらいの幼児の姿を見ることもある。彼らを見ると、マルシュルトカの縦揺れで怪我をしないだろうかと心配になる。それくらいの子供ならば、4時間のうちの半分は寝てしまうから、車が揺れると首も揺れているのだが、あれは危なくないのだろうか…?

自家用車を持っていない人がほとんどの国だから、まだ首のすわっていないような乳児を車に乗せて、長距離移動することもあるのだろうか? そんなことをして、乳児の首は大丈夫なのか。

マルシュルトカで揺られながら、そんなことを心配している。

2011/05/31

輪禍

住居の前の通りの電柱が、車の衝突によって倒れ、通りに面した一帯の住宅が24時間近くに渡って停電になったと書いた。

停電の元になった事故で、車の運転手は酔っぱらっていたのだと聞いた。さもありなん、という話である。

実際、酒飲み運転をしているドライバーはよく見かける。一度、マルシュルートカ(ミニバス)の運転手が、客待ちの間に、ビールを買ってきて飲んでいるのを見たのには呆れたが、そんなことは日常茶飯であると心得るようになってしまった。

酔っぱらい運転で電柱にぶつかった話を聞いて思ったのだが、これはたまたまぶつかったのが電柱だったから、“停電くらい”で済んだが、場合によっては歩行者をはねる、人家に突っ込むということもあり得た訳だ。

そう想像してゾッとした。

酔っているのかは知らぬが、品のない運転をする車が歩いている人のスレスレを走り抜けていく光景はよく目にする。あれが酔って注意が散漫になっている、あるいは気が大きくなっている結果の運転だとしたら恐ろしい。酔ってないにせよ、アスファルトで整備されていない道でスピードを出せば、何かの弾みに車が跳ね上がってハンドルが取られることは起こる。

全員がそうではない。しかし、悪いことというのは、一つ・一人でも見れば印象に強く残ってしまう。

とりあえず、背後からのエンジン音がある時は、必ず振り返って確認することを、今まで以上に確実にしよう。

2011/05/27

マルシュルートカ百景 ~ 「マルシュルートカ」という乗り物 ~

キルギスの公共交通機関で、もっとも国民に使われているのはマルシュルートカ(маршрутка)と呼ばれるミニバスである。ミニバスというよりも、ワゴン車を大きくしたような車体である。

marush1

キルギスの協力隊員は「マルシュ」と省略して呼んでいる(ただし、ロシア語でマルシュ(марш)は「行進、マーチ」の意味になってしまうせいか、現地の人がそう言っているのは聞いたことがない)。マルシュルート(маршрут)は「進路、航路」といった意味の言葉で、そこから派生して「定路運行ミニバス」みたいな感じでマルシュルートカと呼ばれるようだ。

マルシュルートカは、市内を走る短距離のものと、町と町を結ぶ長距離のものとある。もっとも、市内にマルシュルートカが走っているのは大きな町(たとえば首都のビシュケク)だけで、私の住んでいる村の中には近距離マルシュは走っていない。村からは都市部へ行くための長距離便があるのみである。

ビシュケクだと、朝から晩までマルシュがひっきりなしに走り回っている。各マルシュには路線番号が書いてあり、それを見ればどこを通ってどこへ行くかが分かる。自分の乗りたいマルシュを待ち、来たら手を挙げて止めて、乗車する。目的地が近づいたら、「あの店の前で止めて」というふうに運転手に伝え、止めてもらう。

想像できると思うが、この乗降車の流れは、慣れないうちは非常に緊張する。いや、私などは今でもマルシュの乗り降りは緊張することが多い。

マルシュルートカという乗り物は、車体もそうだが、乗降車の仕方、乗車中の立ち居振る舞いなど、日本では見ることがないことだらけなのである。これからたまに「マルシュルートカ百景」と題して、マルシュルートカという乗り物について、私が見聞きし、体験したことを書いていくつもりである。