23年度4次隊の歓迎会があるので、地方で活動している隊員たちが首都に集まってきた。同じ国で活動しているといっても、任地が違うとなかなか会わないもので、こういう機会に久しぶりの面子と会えるのが楽しみである。
協力隊では、首都で在住・活動している隊員は「首都隊員」、首都以外の地域で在住・活動している隊員は「地方隊員」と言ったりする。私は、キルギス赴任当初はバコンバエバ村という場所で活動していた地方隊員だったが、この2月末からビシュケクに引っ越して首都隊員になった。
今回、地方からビシュケクに来た隊員たちが一様に「ビシュケクは暑いですね~」と言っており、彼らの任地とビシュケクの気温差は7~8度くらいはあるので、そのように感じるのも当然なのであった。
現在、キルギスで地方隊員が派遣されている地域は、首都のビシュケクと行き来する際は山を越える場所ばかりで、地方のほうが標高が高いこともあって、気温が低い。地方隊員たちに、それぞれの任地でアプリコットが咲いたかを尋ねてみたら、まだまだとのことであった。どこの隊員もまだ長袖を羽織って過ごしている。ビシュケクは半袖で歩く人たちが増えたというのに。
そういえば、私も地方隊員だった頃はビシュケクを訪れると暑いと、自分の任地よりも気温が高いと感じたものだった。バコンバエバ村では夏でも長袖ジャージとかを必ず着て外に出ていた。それくらいで丁度よかったのである。
ビシュケクに在住するようになった今は、ビシュケクが冬から春(ほとんど初夏)に移行する時季をリアルタイムで過ごしているから、衣服の調整も日々行えていたのである。一方、地方隊員は5~6時間の間に7~8度、場合によっては10度くらいの気温差に対応しなければならないので、調整も大変である。任地を出発する時は晩冬の重ね着であったものが、山を越えたとたんに半袖にならなければならない。実際、ある隊員は水を持参し忘れて、移動の車中で「熱中症になるかと思った」と言ったほどであった。
一つの国の中でもこれだけ気候の違いがあるわけで、当然、各隊員がそれぞれの任地で体験するものも変わってくる。私はそれが“みそ”だと思っていて、隊員が2年間の任期で見聞・体験することは、各個人で異なるし、またそれはその個人だけのものである。もちろん、ある場合には隊員同士で体験を共有していることもある(旅行とか)が、同じ体験から感受するものは人によって変わる。
日本にいたって同じことなのであるが、協力隊という共通項を持っていると、ついつい同じ体験をし、同じ感想を持っていると錯覚してしまいがちなのである。でも、そういうことはあり得ないし、だからこそ他の人との体験や感想の優劣を比べても意味がない。
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