2011/01/29

買い物楽し也

ホームステイ先のホストマザーが用事で数日家を空ける時があり、そういう時は自炊をすることになる。

こちらの食材の扱いに慣れていないので、作ってみて自分でがっかりすることもしばしばだが、それもやってみて分かることだから、楽しい経験に入る。

楽しいのは作ることだけではなく、食材を買うところから始まる。普段、ホストマザーがいる時は、全部お任せで作ってもらっているので、自分で買い物をする機会がない。自炊の時は、家にある物を使ってよいと言われているが、あえて自分で買いに行くこともある。

キルギスの協力隊は、都市部の隊員はアパート(日本でいうマンション並みの部屋)で独り暮らし、地方(田舎)隊員は現地の家庭にホームステイで暮らしている。地方では手頃なアパート物件が少ないのと、安全対策のためにも独り暮らしよりもホームステイを優先させているらしい。

独り暮らし、ホームステイ、それぞれに隊員生活における一長一短はあるのだが、ホームステイをしている私にとっては、買い物をする機会が少ないのはデメリットだと感じることがある。

独り暮らし隊員は、日常の生活物資を自分で買わなければならない。食材、トイレットペーパー、等々。そうすると、この国の物価がどの程度のものなのか、肌感覚で把握できる。

一方、ホームステイ組は、もちろん買い物が禁じられている訳ではないが、人様のお宅にいるのに、自分だけ好きな物を買いまくるのは控えざるを得ない。正直な所、この国でトイレットペーパーがいくらで売られているのか、私は知らない。買うことがないから、関心がそこに向かないのである。

ステイ先の家族が家を留守にすると、食事を作ってもらえなくなり、おいしい手料理を食べられなくなるのは痛手なのだが、自炊のために食材を買う機会ができるのは嬉しい。そういう機会に、インスタントラーメン1袋がいくらかとか、キャベツ1玉はいくらかということを知るのである。

値段を円に換算してみて、「へぇ、だいたい日本と同じ程度だな」とか「えっ! こんなに安いの?」とか、あるいは「日本円では安いけれど、キルギスの他の物の物価と比較したら高いでねぇのけ?」と感心したり驚いたり考察したり…。

買い物は、その国を知るよい機会になるから楽しい。

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