「寝てる時に蚊がブゥゥンて来るの、嫌だよね」という話をマレーシア人にしたら、マレーシア人の知恵を教えてくれた。
寝ている時の蚊が嫌なら、①電灯を付けたまま寝る、②キパスを回したまま寝る、とよいという話だった。
電灯をつけておくというのは、明るい所では活動しない蚊の性質に合致する。電気代がもったいないのと、明るいと寝られないという人には不向きであるが、私は何度かこれで蚊の羽音から逃れることができた。
「キパス」とは、マレー語で「扇風機」のこと。冷房はどの家にもあるという物ではないが、キパスはどの家にも必ずあった。特に、天井に備え付けられているキパスは、日本人の私にとっては、なんか南国のゴージャス感があって好きだった(私の家にはなかったが)。
キパスを回しておくのは、風を送ることで蚊が寄って来づらくするためだ。これもよく使った手である。なにより、夜も暑い国だったから、キパスを回すのは暑さ対策にもなるのであった。
同期隊員の一人は、天井キパスが付いている部屋に住んでいたが、夜、回していたキパスが外れて、寝ている所へ落ちてきたと言っていた。ブーメランみたいな物が飛んで来るんだから、一歩間違えば大けが、あるいはそれ以上のことにもなりかねない話だった。
そういう話を茶飲み話のように話すところが、いかにも協力隊員なのであった。
(「マレーシアでの蚊との攻防戦」シリーズ、終了)
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