ロシア語のсуд(スート)は「法廷」、сад(サート)は「庭」の意。ロシア語を知らない人でも、この二つの単語は綴りが1字違いで、似ていることが分かるだろう。
似ている綴り、発音の単語というのは、学習者にとってはやっかいな代物で、私は結構使いまちがいをしてしまう(「ちょっと、法廷(=庭のつもり)へ行って来る」とか、「この庭(=裁判所のつもり)で裁判が行われる」とか)。話し相手が「??」という顔をするから、何かを言い間違えたことはすぐ気付くが…。
судとсадはロシア語の綴りが似ているだけでなく、対応する日本語(というか漢字)においても似ている。両方とも「廷」の字が含まれている。ムム! これはひょっとして、漢語の「法廷」「庭」とロシア語のсуд、садの語源には共通のルーツがあるのか?
漢字の「廷」の字義は、えんにょうが「階段」を表し、「階段の前につきでたにわ」のことで、政事や裁判を行う場所を意味する(→朝廷、法廷)そうだ。
「庭」もほぼ同じ字義。まだれは「建物」を表すもので、「門から表座敷の階段までの空き地」ということらしい。
一方、судの語源は「契約、結合」を表すサンスクリット語にあるそうだ。「契約」「結合」は二つのものが結びつく感じが共通していると思うが、そこからロシア語の「法廷」という意味に到るには、どういう変遷があったのか…。私の手持ちの辞書では分からず。
садについては語源が記述されておらず、分からなかった。が、たぶんсудとは関係はなさそう。
という訳で、日本語(漢語)の「法廷-庭」とロシア語の「суд-сад」がそれぞれ似ているのは、たまたまということだろう。
っていうか、こんな話題、あんまり関心は集めないと思いつつ。
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