2011/11/12

TPP参加論議

今、日本のニュースでトップ扱いになっているTPP(環太平洋経済協定)への参加問題。
以下のサイトに、TPP参加論議に関する分析、コメントが載っていて、色々と勉強になった。日本でテレビからしか情報を得ていない人は、(ちょっと長いが)一読すると良いだろう。
田中宇の国際ニュース解説 2011年11月1日
TPPが日本の政界再再編につながる?
この中からいくつかコピペ。
TPP参加によって日本経済は10年間で2・7兆円の利得があるという。年間2700億円だ。約500兆円ある日本の経済全体(GDP)の0・05%の効果しかない。
オバマがTPPに力を入れるのは、米国製品を日本市場で売りやすくして、米国の輸出産業を復活させ、再選に向けた自らの政治的得点にしたいからだ。
日本の財界はTPPへの参加を支持している。米国からの圧力で、日本市場での規制が緩和されていくと、日本企業にとってもプラスだとの思惑からだろう。だが実際には、米国企業がロビイ活動によって米国政府を牛耳ってやらせている米政府の産業政策が、TPPを通じて強制的に日本に導入されると、得をするのは米企業であり、損をするのは日本企業だ。
日本の官僚機構はこれまで、官僚の権限を維持するために、各業界に対して厳しい規制を敷き、日本企業はその規制を満たす努力をすることで、環境や安全の面で技術を磨いてきた。規制を満たせない外国企業は入ってこれなかった。今後、日本の規制が崩されて米国型に変質していくと、この点での日本市場における日本企業の優位性が失われてしまう。
かつて一世を風靡した「規制緩和」は、実際、それが進むと弱者はさらに不利になり、格差は拡がるという現実を目の当たりにし、そこに出てきたTPP参加問題である。日本人がこれからの国の行く末をどうするかを考えるには、よい材料だと思う。
協力隊とは関係ない話と思われるかも知れないが、発展途上国の、さらに首都から離れた片田舎にいて、世界の大きな潮流であるグローバリズムとは何であるのか、本当に人々の生活を向上させるのか、という疑問が常にある。
「市場原理」や「規制緩和」といった題目は、ある段階までは経済・技術の発展にとって有効で社会にとって有益のようであるが、どこの段階からは行きすぎたものになってしまうのではないか。
平均寿命で考えれば、自分もあと数十年は生きるし、その後にも日本に日本人は暮らしていく。1日単位の株価変動や、1年程度の企業の利益に目を奪われていて良いのだろうかと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿