2011/11/14

右側通行と右ハンドル車

キルギスではソ連時代を除けば、国産車がない。ソ連時代の国産車と言っても、それはキルギス以外で生産されたものである。

現在走っている車両は、旧ソ連の車、また日本、ドイツからの輸入車である(ごくたまにフランス車も)。職場の同僚が言っていたが、「日本で中古になった車も、ここでは新車」という感じである。

随分前になるが、ロシアが、右ハンドル車を禁止する法律の施行開始を延期したというニュースがあった。この法律は、実質的には日本からの中古車輸入を制限し、締め出すためのものであったらしいが、日本製中古車の輸入業者や、日本車を求める消費者からの反発が強いことから、実施を見送ることになったと伝えられていた。

「日本車締め出し」と聞くと、感情的な部分ですぐに「なんだと!」と反応してしまう。しかし、単に経済的な締め出しという以外にも、交通事故を減らすためにロシア政府が右ハンドル車を減らしたいというのも一理ある。

ここキルギスもロシアと同様、車は右側通行である。右側通行の国では車の運転席は左側にあるのが基本である(逆に日本のように左側通行であれば、運転席は右側だ)。何でそうなのかとあんまり考えることはなかったが、キルギスに来て分かった。

片側一車線道路で、前の車を追い抜くために対向車線に出なければならないが、その時、対向車が来ているか確認するために、右ハンドル車は左ハンドル車よりも大きく左にずれなければならない。

oinuki01
右ハンドル車は、左前方の視野が狭くなる。

oinuki02
先を見るためには中央線よりにずれなければならない。

私が住んでいるバコンバエバ村から首都まで移動するのは、乗り合いワゴンかタクシーである。約4時間。首都のビシュケク市近郊に行くまで、3時間ほど信号機はひとつもない。

当然のことながら、ドライバーは飛ばす。舗装が傷んで凸凹した道でも、カーブでも、100km/hを超えて走ることも当たり前である。進行方向に遅い車があれば、どんどん抜いて行く。

この時、乗った車が右ハンドルの日本車だと、ヒヤヒヤさせられる場面が何度か訪れる。追い抜こうと左に寄ったら、対向車がすぐそこまで来ているというようなことである。この点において、キルギスでは私は右ハン日本車は乗るのを避けたいと思ってしまうのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿