入浴頻度

村でホームステイしていた頃、風呂に入るのはだいたい1週間に一度であった。1週間に一度、サウナを焚いてくれるのであった。

サウナを焚くのは、薪や干糞(牛などの糞を固めて干した物)をくべなければならないから、それなりに金のかかる話なわけで、毎日というわけにはいかないし、できるだけ大勢の人がいる時のほうが効率がよい。だから、家族のメンバーのうち何人かが不在の時は「今週は人が少ないからやめとこ」みたいなことになる場合もある。あるいは、「明日、誰それの家でサウナを焚くから行こう」と行って、出かけることもある。

とにもかくにも、村では風呂に入れるのはよくて週に1回なのである。それ以上入るのは贅沢とさえ言える。

田舎のほうに配属されている隊員の中には、週一度でさえ贅沢という人もいるようで、私が聞き及んだ範囲では30日間風呂(サウナ)に入れなかったという女性(!)隊員もいた。まあ、そこの村では普通の生活なのであろうが、それに順応できる隊員って、かなりたくましい(というか、順応せざるを得ないのであるが)。

さて、私は村から都市(首都)に移って、風呂の環境も大きく変わった。

まず何より、自宅にシャワーがある。以前のブログにも書いたが、温水は常時供給されている。だから、浴びたければいつでもシャワーを浴びることは可能である。

だが、私にしてみると、毎日シャワーを浴びることには、どこか抵抗感みたいなものがある。いや、私が無精者で汗を流すのを面倒くさがっているからだけではない(それがあることも否定はしないけどね)。

村で世話になっていたホームステイ先の人たち、またそれ以外の村人たち、さらには30日間風呂に入らなかった隊員のことを考えると、「毎日シャワーを浴びているお前はなんなのか?」と。別に、毎日シャワーを浴びたところで、悪いことは何もしてないのだけれど、同じ国の中で、1週に一度、あるいは1ヶ月に一度という頻度でしか風呂に入れない人たちを知っている以上、なんかそこに後ろめたさみたいのがある、ということなんだろうかね? (って、誰に訊いてるの、これ?)

私が任地を変更したのと同時期に、やはり同じ村から別の町に移った隊員(女性)がいたのだが、彼女とたまに会った時のあいさつは「風呂は週1回?」である。

すまんが、私はここ最近、3日に一度は入ってしまっている。ああ、村生活経験者としては堕落したな、オレ。

ただ、面白いことに、最初から町、特に首都に配属された隊員なんかは、毎日シャワーを浴びるなんて当然のことのようで、村生活経験者が入浴頻度がどうのこうのと言う話して、1週間に二度以上風呂に入る隊員を蔑んでいるような感覚っていうのが、どうも共有されないのですな、これが。いや、別にそれが悪いわけではないのよね、当たり前だけど。

生活環境、経済的条件によって、人の価値観なんていくらでも変わる、っていう話なんだろうと思う。自分が身を置いた場所でなければ、そこで感じるであろうこと、考えるであろうことを、実感的に想像するのって、たいがいの人にとっては至難のことであるだ。

まあ、ともあれ、こんなことをブログのネタにしている私なのであるが、日本に帰るのは夏のど真ん中。一日に3回行水する日もあろうというものだ。

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