協力隊の任期は2年間である。どの隊員にとっても、そこの国、町、村での暮らしは初めてであり、当然、生活に必要な物資のほとんどは現地で手に入れなければならない。
そろえなければならない物品は国・地域によっても、また隊員個々人でも異なるところはあるだろうが、現地で新たに買わなければならないような物の場合、買うタイミングが難しかったりする。
たとえば、胡麻とかをするための“すり鉢”がほしいと思ったとする(←これ、自分が今ほしいと思ってるわけ、結局)。地方だと、それが売ってなかったりすることもあるから、「次に首都に行く機会があったら、店で探してみよう」とか思うのだが、首都に行くのが2~3か月、あるいは半年先ということにであれば、すぐには入手できない。
たまたまある店で売っているのを見つけても、「なんか、これ値段が高い感じがするなぁ」と思って、「別の店ならもっと安いのがあるかも。もっと探してみよう」なんて気を起こすと、買う時期は先延ばしになる。
こんなふうにして買うのが先延ばしになって、気づいてみると自分の協力隊任期が半分を過ぎていたりすると、「残り1年間ですり鉢なんて、何度使うんかいな? 本当に買う意味あんの?」と考えてしまう。考えているうちに時間はさらに経ち、祇園精舎の鐘の音。
私は、新しく赴任した隊員には言うのだが、本当にほしい物(かつ値段も数万円とかでなければ)ならば、早く買えば買うほど得だよ、と。その物を使えるのは、自分の帰国するまでなのだから、早く買って使い始めれば、それだけ「元を取る」機会は増えることになる。
今、私の任期は残り3ヶ月を切っているが、このタイミングで新しい物を買おうと思っても、「いや待て、これあと何度使うんじゃい?」と自問して、買うのを思いとどまっている。たとえばすり鉢なんか、日本にいたって、月に何度も使っていなかった物だから、今買ったとしても、キルギスにいる間に使うのも1~2度になることが想像できる。そう考えると、今さら買おうという行動にはつながらない。
もしこのブログを読んでいる世界各地の、赴任して半年未満の協力隊員の人がいるなら、私は「ほしい物があるなら、買うのは今ですよ」と、心優しい先輩隊員の経験に基づくアドバイスを送るのである。
(それにしても、たまにすり鉢使いたいのよねぇ…)
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