2012/05/24

そしてアリストン登場

ビシュケクでは、5月中旬からの1ヶ月間、市内への温水の供給が止まるのだが、その間、各家庭ではどう対処するのか?

もちろん、すべての家庭の状況を知っているわけではないので、私の見聞する範囲の話になるが、ビシュケクで温水供給が休止になる時期は、それぞれの家庭では備え付けの電気湯沸かし器で湯を沸かしている。

ちなみに、我が家(借家)ではトイレ内にその湯沸かし器が設定されている。

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(トイレの天井近くに設置されている湯沸かし器)

温水供給が止まるまでは作動させていなかったが、温水が止まる日に大家さんが来てくれ、湯沸かし器の電源を入れ、配管を開けるのをやってくれた。

そのおかげで湯が使えるのはありがたいが、なにせ湯を沸かすわけだから、この機械自体が熱を持ち、トイレ内の温度がこれまでよりも高くなってムシムシする。温度が高くなって、コバエの繁殖スピードが速まるのか、羽がハート形をした、日本でもおなじみのコバエがたくさん発生するようになっているように思う…。「ムシムシする」は「蒸し蒸し」と「虫虫」の両方に係っているのか…

この電気湯沸かし器、一番有名かつ人気があるのが「アリストン」という会社のものらしく、キルギスの人たちはその商品名で湯沸かし器のことを指して使ってる。「アリストンの電源、切っといて」みたいな感じ。

固有の商品名が、その商品全体を表わすものとして使われる例はほかにもたくさんある。「パンパース=おむつ」「ピンポン=卓球」「エレクトーン=電子オルガン」「オセロ=白黒陣取りゲーム(リバーシ)」「マジック=油性マーカー」などなど。昔はテレビゲームと「ファミコン」も同義語だったような気がする。ここに挙げた商品名以外にも、私が気づかずに「○○」と言っている物が、実は商品の固有名詞だということはあるのである。

私、こういうのはなぜか好きなのである。その商品を開発した人、会社にしてみれば、そこまでその商品がビッグネームになるとは思っていなかったはずのものが、いつの間にか商品群の代名詞になっている。開発者・社にしてみれば、ちょっと感動ものの話ではないだろうか。

NHKは、特定の商品名を出してはいけないのが原則らしく、視聴者参加の生放送なんかで、一般の人が何の気なしに「最近、○○に凝ってましてぇ…」なんてことを言って、アナウンサーが慌てて言い換えているのを見たり聞いたりするのが、なんとも言えないスリルを感じてしまうのである。

特に、ラジオ第一で平日の午後にやっているラジオ電話相談では、DIY(Do It Yourself、日曜大工)や園芸の相談の日は、相談者が呑気にも商品名を口走りはしないかと、ハラハラしながら聴くのがちょっとした楽しみであった。

だいぶ話がそれたが、そんなわけで、今は我が家のアリストン(本当の製品名は“thermex”と書いてあるが…)が活躍中であり、トイレは熱がこもらないように扉を半開き、という状況である。

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