キルギスで生活して1年以上経っているせいか、今では全然気にしていないのだが、渡航した直後は、キルギスで「ある物」を見かけないので気になっていた。
その後、1年以上が経った今も、一度も見ていない。たまに、何かの折に急に、「あ、そういえばあれはやっぱり見かけないなぁ」と思い出すこともある。
その物について、今日、久しぶりに思い出した。きっかけは、ロシア語のおべんきょーをしていて「ホットコーヒー」という単語が出てきた時。「ホットコーヒーがあるなら、アイスコーヒーもあるよな」と思っていて、「はて、キルギスではアイスコーヒーを見たことがないんだったな」と思い出した。
アイスコーヒーを見たことがないのという以前に、「氷」という物を見たことがないのである。
日本なら、ファミレス、ファーストフード、家庭、どこにでもある氷。それがキルギスにはないのである。カフェのメニューにもコーヒーはあるが、ホットであることが大前提。誰も「アイコー(今どき、だれもこんな略しかたせんだろうけど)ある?」とは店員に訊くことはない。
アイコー(しつこい?)だけなら、ホットで入れたコーヒーを冷蔵庫で冷やせば作れなくはない。ただ、そういう飲み方をあえてしている人も見ない。この国の人たちにとっては、氷がない生活が標準である。そんなの不便じゃないのか、と思うのだが、別に不便にはならない。現に私自身も、1年以上生活しているうちに氷のことなど忘れている。
マレーシアでは氷は絶対必要品だったなぁ。食堂とかの飲み物は氷入りで出てくるものが多かった(ホットドリンクもあったが、そういうのを飲むのは稀だった)。氷屋が食堂に氷を搬入しているのをよく目にした。また、東南アジアの国々には独特のかき氷もあって、これは今でも忘れられない。
氷なんて、どこにでもありそうな物だし、どこでも必要になりそうな物なのに、そういう物がない生活を普通にしている文化がある。これもまた現実。
0 件のコメント:
コメントを投稿