キルギスの墓地

キルギスの墓地

おそらくほとんどの文化でそうだと思うが、墓地というのは集落の外れに設けられている。墓というのは、そもそも何らかの宗教観に基づいて作られていると言えるから、死んだ者は「あの世へ行く」とか「生まれ変わる」存在として位置づけられる。この世と別の(次の)世界を結ぶ存在。

内(この世)と外(あの世)を結ぶ存在として、集落の内と外の境界線近くに死者の場所は作られる。

以上、文化人類学の話で読んだか聞いたことの受け売り。

キルギスの墓地も、ことごとく村の外れに作られている。すべてではないが、山の側に墓地があることが多いような気がする。キルギスは山が多いから、村外れに場所を求めると必然的に山の近くになってしまうのか、それとも死者と山と何か結びつけて捉えているのか。

イスラム教徒であるため土葬である。こちらでは、墓碑に故人の顔のレリーフみたいのが埋め込まれているのが多い。日本人は墓に生前の姿を刻むことはないように思う。日本人は遺影を仏壇とかに置くから、墓のほうには故人の姿を現すものは入れたくないのだろうか。

墓碑

三日月のマークが入っているのも、イスラム教の印である。

墓の形、大きさは色々あるが、中にはモスクか礼拝所みたいなのもある。実際、私は最初それは墓参りの人が礼拝をする場所みたいな共同使用する建物なのかと思ったのだが、個人の墓だと聞いて驚いた。

建物型の墓

あんまり勘ぐるのも良くないが、墓の大きさとか装飾は、生前の故人、あるいは遺族が他人に見せたいという思いで決めているところもあるんではないか、と…。「宅ではこんな墓を建てたんざます」というのが、なきにしもあらずというところでは。そういうのは、どこの文化でもついて回る人間の心理だ。

墓の話でふと思ったのだが、キルギスで幽霊とかお化けの類の話は聞かない。いや、ひょっとしたら私の語学力で聞き取れていないだけで、そういう話は結構しているのかも知れない(←この問題は常につきまとう…)が、マレーシアの隊員時代を思い返すと、何度もその話題をされた(「日本の幽霊はどんなのがいる?」という質問)のが、キルギスではまだ一度もない。

その辺、どうなんだろう?

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