大晦日。「年末恒例」とは言われなくなってきた、NHK紅白歌合戦。
NHKは、「NHKワールド」というので、テレビ、ラジオの番組を海外に配信している。テレビは有料で、NHKの番組が見られる。受信設備があり、視聴料を払っていれば、紅白歌合戦も生中継で見られる。
日本では夜7時あたりから11:45までの放送である。紅白を見ながら年越し蕎麦を茹でてすすって、紅白の参加者が「蛍の光」を歌うのを聞き、NHKホールのひきの絵でパ~ンとキラキラしたテープが飛び出す(これこそ恒例だ!)を見たその刹那、画面が一転して、東北の雪に囲まれた寺の鐘をつく場面に切り替わる。ゴ~ン、ゴ~ン。「ゆく年、くる年」である。
ああ、一年が終わっていくんだねぇ…、としみじみしながら、0時を回った途端、各地で迎春を祝う花火の打ち上げ場面。今年は穏やかな年でありますように…。
NHKの「紅白歌合戦」から「ゆく年、くる年」に続く番組の流れは、多くの日本人の年越しの心性を形作っている。
海外でこれらの中継を見られるのは、多くの在外日本人にとって嬉しいことであろう(私は見られないが)。しかし、ここに「時差」という問題がある。場所によっては、日本の真夜中は現地での早朝、真っ昼間である。
キルギスは日本からマイナス3時間。首都ビシュケク在住の日本人たちは紅白を見る集いがあるのだそうだが、見終わった後、まだ3時間も年が替わらないというのは、なんか違和感があるのではないだろうか。キルギスに限らず、世界中のあちこちで、紅白は見られているのだが、早朝や真っ昼間に紅白を見るというのは、何か背中がムズムズするような感じがしてしまう。現地に永住、長期在住している人は、毎年そうやって紅白を見ているだろうから、それが当たり前になっているのだろうけれど。
今年、私は協力隊仲間と、とある山の温泉施設で年越しをする予定である。山に短波ラジオを持っていき、紅白歌合戦を受信し、皆に聞かせるつもりである。さて、電波は良く入るか?
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