キルギスのイシククル州の州都カラコルという町に、「ドゥンガン・モスク」と呼ばれるイスラム教のモスクがある。「ドゥンガン」とは、中華系のイスラム教徒のことで、キルギス国内にも在住している(ウィキペディア「ドンガン人」の項)。私なども、ロシア語もキルギス語もたどたどしく話しているのを聞いて、「お前、ドゥンガンか?」と尋ねられたことが何度かある。
カラコルにあるドゥンガン・モスクは、中華系の人が建てた物なので、キルギス人の一般的なモスクと建築様式が大きく異なる。
キルギス人モスクは下の写真のような感じである。
キルギス人モスクについても、私がマレーシア隊員時代に現地で見たモスクと様式が違うので、別に取り上げたいとかねてから思っているが、とりあえず今回は対比のための参考として写真を載せておく。
さて、ドゥンガン・モスクのほうはというと、
こんな感じである。キルギス人モスクが土壁であるのに対し、こちらは木造建築。
全体の景観、細部にわたる彫刻の施し方などを見ると、仏教寺院のようにも見えてくる。このあたりは、ドゥンガン人が漢族などの影響を受けているためではないかと思われる。
しかし、この建物がやはりイスラム教のモスクであることを示す物もあった。
(信者に礼拝を呼びかけるアザーンを放送するための塔「ミナレット」)
(礼拝堂入り口に掲げられた、一日5回の礼拝の時刻を示す時計)
私たちがこのモスクを見学させてもらったのは13:15頃で、上の時計を見ればわかるように、13:30からの礼拝の間際だったため、礼拝のためにムスリムの男達がモスクに集まりはじめていた時間であった。
一番興味深かったのは、礼拝堂を案内してくれた年輩の男性が話すのを聞いて、一緒に行った協力隊隊員の一人がウズベク語なまりがあると気付いて、「どこから来たのですか?」と聞いたら、バトケン州というウズベキスタンとの国境付近のほうから来た人であったことだ。ドゥンガン人が建てたモスクであるが、今はドゥンガン人以外のムスリムも礼拝する場になっている(もちろん、他の地域のモスクでも、現地出身以外のムスリムは礼拝できるし、イスラム教以外の宗教でも基本的には同じだと思う)。
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