2011/12/08

トーストを食べない

休日、同じ村の隊員とカフェで食事をしていたか何かの時、“日本に帰って食べたい物”という、本当に何の役にも立たない、しかし協力隊の任期中に何度もしてしまう馬鹿な話をしていた。

もちろん、寿司だとか、刺身、天丼、カツ丼、鰻重、等々、海外生活者にとっては定番の日本の食べ物が出ていた中で、一人が「トーストしたパンを食べたい」と言ったので、いささか不思議に思った。なにせ、キルギスでは毎食必ずパンは出ているのだから、いまさら「パンが食べたい」というのもおかしな感じなのである。

だが、よくよく考えてみると「トーストしたパン」というのは、確かにキルギスの食卓では見ない。

パンは、ほとんどの家で、その家にいる女性が焼いている。そして、食事の時はパンは欠かせない。日本人にとっての米飯とほぼ同じ感覚だと思う。しかし、そのパンをさらに火であぶって(トーストして)食べるのは、キルギス人に限っては見たことがないのである(確か、首都ビシュケクのホテルでは、モーニングのバイキングに、トースターが置いてあったような気もするが、記憶が定かでない)。

これだけパンを食べる文化であっても、パンの食べ方のバリエーションは多くないのであろうか? このあたり、都市部と村落部での違いもあるかも知れない。首都ではトーストして食べるキルギス人家庭もあるのかも知れない(ただし、渡航後最初の1ヶ月ホームステイさせてもらったキルギス人家庭でも、パンはトーストしていなかった)。

それにしても、他人というのは、私が気付かぬことも感じたり思ったりしているものだ。他の隊員から「帰国したらトーストが食べたい」と言われるまで、私はキルギス人がトーストを食べないことに気付かなかった。

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