キルギス人と携帯電話

今や、携帯電話は世界中で普及している。途上国では、設備の設置費用において、有線の電話回線よりも無線(電波)のほうが安上がりで済むため、携帯電話のほうが普及しているとも聞く。まず有線電話が各家庭に普及してから、携帯電話が登場してきた日本とは電話普及の経緯が異なる。
キルギスは、旧ソ連時代にかなり地域で電話線が敷設されたようで、10戸程度の家しかない集落でも家に固定電話はある。ソ連時代の電話料金は、同じ市外局番同士であれば、通話は無料だったそうで、そのシステムは今のキルギスでも継続されている。当然、同じ市外局番の家に電話をかける時は、固定電話からかけている。
よその市外局番にかける場合に携帯電話を使っているようだ(携帯がない時代は固定電話だったはず)。
携帯電話は、通信会社ごとに発売しているSIMカードというのを携帯端末にセットして使う。事前に料金を払っておき、使った分だけ減っていくプリペイド方式である。プリペイドした分を「единица /エディニッツァ/」と呼ぶ。ロシア語で「単位」という意味。同じ通信会社間の通話は安く、異なる通信会社だと高くなる。かけた方のエディニッツァが減っていく。
と言うわけで、自分からかけるより相手にかけてもらう方が得だから、いわゆる「ワン切り」というのもある。
私は知らなかったが、ワン切りのことをロシア語で「маяк /マヤック/」と言うのだそうだ。「灯台」という意味で、相手の携帯を短く鳴らす(多くの機種では音と同時に画面が光る)のでそう呼ばれるそうだ。
それにしても、身近にいる人たちを見ていて、キルギス人は電話が好きだなと感じる。いや、これはキルギス人に限ったことではないのか。携帯で始終だれかと話している人は日本でも見かける。ただ、定額制料金のコースがある日本に対して、使用しただけ料金がかかるキルギスではエディニッツァが切れれば話せなくなる。たまに「エディニッツァがなくなったから、お前の電話を貸して」と言われることもある。

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