2011/06/19

裏日本語教師の発見

本職ではないが、村の子供たちに日本語を教えていることを書いた。

日本語を教える時に、その訳文をつけて教えている。ちなみに、外国語教授の方法としては、例えば日本語を教えるなら、最初から日本語のみで教えるというやり方もあるそうであるが、その方法でやるには、知識・経験も必要なのではないか。私は、ロシア語(たまにキルギス語も混じる)を介して教えている。

さて、最近気付いて、自分で一人含み笑いをしてしまった日本語があった。

例えば、会話の中で、

A: お母さんは どこにいますか?
B: お母さんは 病院です。

とか、

A: 君の弟は りんごと バナナの どちらが好きですか?
B: 弟は バナナです。

という文があって、日本語としてはちゃんと意味が通る(はず)。

しかし、この会話のBの台詞を、皆さんの知っている外国語に訳すとしたらどうなるであろう? 例えば英語で直訳すると、”My mother is a hospital.”、”My brother is a banana.”となってしまう。いや、外国語に訳さなくても、その台詞だけを取り上げたら、Bの台詞は日本語としてもちょっと奇妙な文である。

もちろん、言語学では文脈とか、語の省略とかいう切り口で分析をするのだろうが、自分ではそこの説明は分からぬ。日本語独自の文法構造ということなのかも知れない。自分の母語である日本語を、外国人に教えようとすると、通常の日本語使用では気付かなかった日本語の「変な」ところを発見することがあって面白い。

病院の姿をした母親。バナナになってしまった弟。そのイメージを思い浮かべて、一人笑ってしまったのであった。

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