2011/05/27

マルシュルートカ百景 ~ 「マルシュルートカ」という乗り物 ~

キルギスの公共交通機関で、もっとも国民に使われているのはマルシュルートカ(маршрутка)と呼ばれるミニバスである。ミニバスというよりも、ワゴン車を大きくしたような車体である。

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キルギスの協力隊員は「マルシュ」と省略して呼んでいる(ただし、ロシア語でマルシュ(марш)は「行進、マーチ」の意味になってしまうせいか、現地の人がそう言っているのは聞いたことがない)。マルシュルート(маршрут)は「進路、航路」といった意味の言葉で、そこから派生して「定路運行ミニバス」みたいな感じでマルシュルートカと呼ばれるようだ。

マルシュルートカは、市内を走る短距離のものと、町と町を結ぶ長距離のものとある。もっとも、市内にマルシュルートカが走っているのは大きな町(たとえば首都のビシュケク)だけで、私の住んでいる村の中には近距離マルシュは走っていない。村からは都市部へ行くための長距離便があるのみである。

ビシュケクだと、朝から晩までマルシュがひっきりなしに走り回っている。各マルシュには路線番号が書いてあり、それを見ればどこを通ってどこへ行くかが分かる。自分の乗りたいマルシュを待ち、来たら手を挙げて止めて、乗車する。目的地が近づいたら、「あの店の前で止めて」というふうに運転手に伝え、止めてもらう。

想像できると思うが、この乗降車の流れは、慣れないうちは非常に緊張する。いや、私などは今でもマルシュの乗り降りは緊張することが多い。

マルシュルートカという乗り物は、車体もそうだが、乗降車の仕方、乗車中の立ち居振る舞いなど、日本では見ることがないことだらけなのである。これからたまに「マルシュルートカ百景」と題して、マルシュルートカという乗り物について、私が見聞きし、体験したことを書いていくつもりである。

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