今回の国際カンファレンスに限ったことではないが、キルギスでは我々日本人が思う所の「携帯マナー」というのは皆無である。公式行事の場であろうと、映画・演劇の鑑賞中であろうと、公共交通機関の中であろうと、とにかくどこでも携帯電話はなる。
今回のカンファレンスでも、ご多分に洩《も》れず、海外からのゲストがプレゼンテーションをしている最中でも携帯電話が頻繁に鳴っていた。
我々協力隊員は、活動期間の2年間は携帯電話が貸与されている。これは、緊急時に連絡を取ることが目的であるので、電源は常にオンにしておくことになっている。カンファレンスでも電源はオンにしていたが、私は「サイレントモード」にして、着信があればバイブで知らされるような設定にしておいた。操作で言えば、4回くらいボタンを押せばできることである。しかし、こちらの人はそのようにサイレントモードにすることはない。
着信音(これがまた派手な音楽だったりする)がジャンジャカ鳴って、慌ててかばんの中から携帯を取り出して、「電源を切るのだろう」と見ていると、迷いもなく「アロー(もしもし)」と話し始める。ここまで堂々とやられると、それがマナー違反だと思う自分の認識自体を疑ってしまうほどである。
私のブログに限らず、世界各地で書かれている協力隊員ブログで「いつでもどこでも携帯で電話をする」というのは、定番ネタになっている。ということは多くの国で、日本人とは異なる携帯マナーがあるということだろう。
日本のマナーと違うからダメだ、という論法で物事を判断しないほうがいいと思っている。ある意味では、日本の携帯マナーは神経質すぎる点もあると思う。しかし、会議の最中、劇場の上演中にも電話が鳴るというのは、マイナスのほうが多いと言えるだろう。プレゼン発表者側も聴衆側も気が散るではないか。
日本なら、開始の前に主催者側から「携帯は電源を切るか、マナーモードに設定をお願いします」とアナウンスがされると思う。でも、日本以外(少なくともキルギス)では、そういうことを気にしない文化もあるんだなと、多少イライラもしつつ、断続的に鳴る誰かの携帯の着信音を聞いていたのであった。
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