2012/01/10

猫舌お節介論

インスタントラーメンが、冷めてフニャフニャにふやけた状態で出てきた話を書いた。それで思い当たったのだが、ひょっとしたら、キルギス人は熱い物はあんまり好まないのか?

以前、招待された家で、ペリメニという水餃子みたいな具が入ったスープを供してもらったことがあるのだが、沸騰した鍋からよそられたスープは熱々で、一緒にいたキルギス人はしばらく冷ましてから食べている人もいた。私は、元来、どちらかと言えば早食いの質《たち》であるせいもあって、熱いながらも少しずつ食べていた。それにこれくらい熱いほうが美味しいという食べ物も、やはりあるのである。生ぬるいペリメニのスープが出されることもままあるのだが、あれはスープの食味を半減させているように思う。

まあ、このエピソードだけで、キルギス人全般が猫舌だと断じるのは勇み足だろう。日本人にだって猫舌の人はたくさんいるしね。先輩の一人が真の猫舌人で、一緒にラーメン屋に入っても、出てきたラーメンに手を付けず、冷めるまで2~3分待っているのであった。熱々のラーメンを食べられないとは、なんとも気の毒なことだと思ったが、よく考えればそれは余計なお世話というもので、当人にしてみれば熱いラーメンのほうが美味しくないというだけのことであろう。

キルギス人がインスタントラーメンを冷まして、麺がのびてから食べるというのも、本人たちが美味しいと思っているならば、その食べ方が正しいとか間違っているとかいう筋合いはどこにもない。仮にキルギス人すべてが猫舌(そんなことは100%ないのだが)で、すべての食べ物を冷まして食べる食文化(これも仮の話。実際には熱々で食べる物もたくさんある)だとして、それを私が「冷めていては不味い」と言うのは余計なお節介というものである。これを称して「猫舌お節介」と呼ぶ(これも嘘である)。

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