任期が残り少なくなると、任地での仕事の関係者、プライベートでの友人などから、「帰る前に一度食事を」と招待を受けることが増える。
もちろん、そうやって声をかけてもらうのは大変うれしい。障害児の指導をして、親がそうやって招待をしてくれるのは、私の指導の結果を好意的に受け止めてくれているから、ということもあるだろうから、ホッとする気持ちもある。
そうは言っても、帰国前というのは荷物の片付けやら、JICAへの報告の準備やらで、バタバタするのが常で、そういう時期に食事会が入ると、なおさらバタバタするのである。しかも、ボランティア同士のお別れ会みたいなものもあったりするし。
そういうのを見越して、帰国の準備を早くから済ませておける人もいるようで、私などは一生涯かけてもその段取りを身に着けることはできないものと諦めているが、要は帰国前にバタつくかどうかは個人の問題と言えなくもないわけだ。
食事の招待とともに、帰国時に悩まされるのが記念品のプレゼントである。プレゼントをくれる人の好意を台無しにする、人情知らずのたわ言を承知で言えば、帰国間際に荷物が増えるのはすごく気が重い。相手が好意・厚意で用意してくれたことがわかるだけに、置いていくのも心苦しい。
特に「勘弁してくれ~」と思ってしまうのが、陶器の皿とかコップの類である。「どうやって日本に持って帰ろう、これ?」となってしまうのだ。関係者には、あらかじめ「プレゼントは不要です」のお知らせを出そうかと本気で悩んでいる。
これは自分が「もらう側」として困っているという話だが、逆に自分が誰かを送り出す時には「あげる側」の悩みに転じる。形あるもので、かさばって壊れやすい物は、自分がもらったら困るので、人にもあげたくない。そんなことを悩んでいるうちに、別れの記念品なんてもらう必要もなければ、あげる必要もないと割り切って、握手して「ありがとう、さようなら」で十分だと考えるに到っている。
図書券、ビール券みたいな選択肢もなくはないだろうけど…。そういえば、キルギスではそういう金券の類を見たことがないなぁ。
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