2011/08/19

エコ意識がない?

途上国と呼ばれる国へ行くと、たいていはごみが路上に放られているのが目につく。キルギス
でもごみが辻にどさっと積まれていたり、ペットボトル、空き瓶、ビニールなどが道端に落ち
ているのをよく見る。

最初は「エコの意識がないから、平気でごみを捨てるんだな」と解釈していたが、どうもそれ
だけではないらしい。何よりも大きいのは、ごみ処理施設がないことである。

日本では、ほぼすべての自治体が定期的にごみを回収し、焼却施設で処分している。ところが、
村ではそういう回収作業車を見たことがない。環境保護に関する知識・意識とも低いのは確か
だが、それ以前にごみ回収・処分のシステムが整っていないことのほうが、ごみが路上に蓄積
してしまう要因だろう。

考えてみれば、もし自治体によるごみ回収・処分のシステムがなかったら、日本人だって溜ま
るごみをどうしてよいか困るはずである。30年前なら、町中でも菓子の包装、古雑誌を燃やす
のはよくあったが、今、同じことをやったらたちまち隣近所から苦情が殺到する。

3・11のような災害が起こり、ごみ回収システム自体が稼働しなくなれば、日本でだってごみは
溜まってしまう。それはエコ意識以前の物理的な条件が整わないから仕方がない。だから、ご
みを回収せずに路上に捨てているキルギス人たちを、意識の面だけで非難するのはフェアでは
ないと思うようになった。

(とは言え、走行中の車からペットボトルや飴の包み紙を放り捨てるのは、やはり意識の問題
であるはずだが…。どうにかならんかね、あれは。)

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