キルギス人の名前のバリエーションは、日本人のそれと比べるとすごく少ない。
男性ならアザマット、アイベック、ウラン、ウラル、ルスタン、ルスランなど。女性ならアイグル、アイダ、キアル、ジャングール、チナーラなどがよくある名前である。
同名の人が多いので、誰かのことを話題にする場合に、人物の混同が起こりやすい。そんなわけで、話の途中に「どのアイベックのこと?」と確認しているのをしばしば耳にするのである。
電話でも「もしもし、チナーラさん? 私、チナーラです」みたいなこともよくある。まあ、日本語でも同姓の場合は同じようなことが起こるわけだが…。
ところで、日本の姓のバリエーションは、世界の国の中でも二番目に多いのだと聞いたことがある。一番多いのはどこか?
答えはアメリカ合衆国。あの国はあらゆる国から移民が入ってくるので、姓も多様になっている。そうだとすると、一つの民族での姓の多様さでは、日本人は世界でもっとも多いということになろうか。
日本人は漢字を組み合わせて姓を作るからバリエーションが多いのかとも思ったが、漢字の元祖の中国や、漢字文化圏の朝鮮も日本ほどは姓は多くないようであるから、おそらく日本独自の事情があるのだろう。
そういえば、江戸時代に「苗字帯刀」という言葉があるが、当時は武士以外は苗字(姓)を名乗ることが許されていなかったということである。昔話のヒーロー、桃太郎、金太郎も、姓のほうは伝わっていないのは、あの話ができた頃は姓は一般的でなかったからだろうか。では、浦島太郎はどうなる? 「浦島」は姓なのか、名なのか?
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