明日8月31日は、キルギスの独立記念日で祝日である。今年は独立20周年にあたる。
といっても、村では20周年に向けた盛り上がりは見せていないのだが、一応、明日は村にあるスタジアムでイベントが行われるとの情報はある。首都では大きなイベントがあるはずである(そういえば昨年の8月31日は首都にいたが、交通規制にはまって、宿泊先に帰るのに難儀したっけ)。
キルギスの人たちは独立をどう受け止めているか。
国民の多数であるかどうかは分からないが、私が聞く話としては、ソ連時代のほうが良かったという郷愁が多い。キルギスは、旧ソ連の国の中では、珍しく(?)ソビエト連邦が継続したほうが良かったと感じている人が多いらしい。その証左になるのか、キルギス国内ではいまだにレーニン像がご健在である。
ソ連崩壊の時、その象徴的なニュース映像だったのが、民衆がレーニンの像を引き倒している光景であった。それがいまだにきれいに残っている。「ソ連時代には仕事がたくさんあった」「道もきれいだった。壊れてもすぐになおされた」などなど。40歳以上の人が、ソ連時代の恩恵を懐かしそうに語るのを聞いていると、キルギスの人たちにとってはソ連による政治支配というのは、マイナスよりもプラスが多かったのかも知れないと思う。
この辺りも微妙な話で、20年前、この国が誕生した時にそう考えた人はどれだけいたのかは分からない。当時は希望に満ちた未来を期待していただろう。20年経ち、自分たちの置かれた状況を見た時に、「昔は良かった」的な回顧が生まれている可能性は高い。とは言ってみたところで、もうソ連時代に戻ることはない。
政治的なことは年数が経たないと評価が難しいのであるが、政治体制的には議会制民主主義への移行が進んでいるし、周辺の旧ソ連国たちがやや長期独裁的な政権になっているのに比べれば、「民主化」は進んでいると思われ、紆余曲折を経ながらも、この20年の中でキルギスが実りをつける方向にあることを願う。
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