2012/01/21

骨付き肉

キルギスで肉を購入する場合、肉屋で「これちょうだい」と言って、店の人がその肉を秤《はかり》にかけて、重量に応じて値段を払う。肉が大きすぎると思えば、切って、分割してもらい、目方を少なくして買う。

私はホームステイなので、基本的に自炊する機会は少ないのだが、家人がいない時などは、自炊をするために食材を買いに行くことがある。

先日、肉を買ってみて気付いたのだが、こちらで売っている肉の中には、骨が付いた状態の物もある。部位によるのだろうが、体の組織で見れば、肉は必ず骨に付いて存在している訳だから、骨付き肉として売っていても不思議ではない。

キルギスを基準に考えれば、骨と肉を分ける処理をした物が売られている日本のほうが不思議とも言える。

私は迂闊にも今まで気付かなかったのだが、目方に応じて値段が決まるのだから、骨付き肉の場合は骨の分だけ損をしていることにはならないか? 骨って、結構重いにも関わらず、食べられない。まあ、スープの出汁《だし》を取るとかの活用法はあるが…。

別の協力隊隊員にそんな話をしたら、その人もそう思って、肉屋で「骨を外して売って」と頼んでみたことがあるそうな。そうしたら、「グラムあたりの単価は高くなるよ」と言われたのこと。つまり、肉屋にしてみれば、骨付きを前提に単価を設定しているということだろう。肉だけで1kgと、骨付きで1kgでは肉屋の採算性は変わるから、値段も変えるということだ。それに、骨と肉を切り外すならば、その分手間がかかるから、その手間賃で値上がりすると考えもよい(キルギスの肉屋の言い分が実際にそうなのかは分からないが)。

日本では肉は骨を外して売られているが、本当はその手間(人件費)も値段に含まれている。安く買って自分で処理するか、プロが処理をして値段が上がるか。同じことである。

骨付き肉に慣れていないので困ったのは、鳥の唐揚げを作ろうとした時だった。骨の付いたまま衣を付けて揚げたが、いざ食べる段になって、骨が邪魔になって食べづらかった。骨付きの鶏肉は日本でも売っているが、ももとか手羽などは、既に食べやすいようにしてあるのであって、実際の鶏には細かいのやらでかいのやら、もっと色んな骨が組み合わさっている。

今まで、食肉の骨をこんなに意識したことはなかった。日本では肉が処理されていることの便利さなんて、当たり前だと思って、処理されている事自体を意識してなかった。肉屋さん、ありがとう。

バザールの肉屋(ビシュケクのバザール内の肉屋)

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