2011/02/27

曜日の話あれこれ (ロシア語編)

カレンダーの曜日の始まり(左端)は日曜日か月曜日か。茶のみ話でしばしば白熱するテーマである。

日本では、カレンダーや手帳の曜日は「日曜始まり」「月曜始まり」、どちらも見かける。私が百均で買って使っていたスケジュール帳は月曜始まりで、右端の土曜・日曜の横幅が広かった。子供が買うことが多いから、週末の予定が多く書き込めるようになっていたのかもしれない(そんな手帳で事足りていたんだね、私のスケジュールは)。

「日曜始まり、月曜始まりのどちらでも大差なかろう」と、日本人なら思うのだが、面白いことに、ロシア語やキルギス語では、カレンダーの曜日をどちらで始めるかは迷う余地がないのである。

日本語 ロシア語 キルギス語
月曜日 понедельник биринчи күн
火曜日 вторник экинчи күн
水曜日 среда үчүнчү күн
木曜日 четверг төртнчү күн
金曜日 пятница бешинчи күн
土曜日 суббота алтынчы күн
日曜日 воскресенье дем алыш күн

これだけではほとんどの方は分からないだろうから、まずロシア語から解説すると、понедельникは「по(始まり)」+「неделя(週)」で、「週の始まり」の日となる。名前そのものが週の始まりであることを表わしているのである。当然、カレンダーも月曜始まりのものしかない。

これで最初に挙げた疑問は解けたのであるが、ついでに以下の曜日も見てみよう。 

вторник второй(2番目)→ 2番目の日
среда среди(真ん中)→ 週の真ん中の日
четверг четвёртый(4番目)→ 4番目の日
пятница пятый(5番目)→ 5番目の日
суббота (アラム語かヘブライ語起源)
воскресенье воскресение(復活)→ 復活の日

火・木・金曜は、月曜を始まりとした時の順番が基準となっている。水曜を真ん中として扱うのも、日本人の感覚と同じで興味深い。月曜始まり、日曜終わりで見れば、週の真ん中は木曜になるはずなのに、水曜を真ん中だと思うのは、平日だけで考えているからだ。週休2日の職場なら、水曜日は「やっと週の真ん中だ」と思う人が多かろう。

土曜のсубботаは、辞書によればアラム語かヘブライ語に起源があるとのことだから、キリスト教の伝来と関係がありそうだ。

日曜の「復活」を見てピンと来た人も多いと思うが、もちろんこれはキリストの復活に関係づけられている。キリスト教では、イエスは金曜日に磔刑に処せられ、日曜日に復活したと信仰されている。聖書から引用してみよう。

さて、安息日が終わって、週の初めの日の夜明け方に、マグダラのマリヤとほかのマリヤとが、墓を見に来た。(マタイ福音書28:1)

処刑されたイエスの墓に、イエスの母マリヤたちが行ったという話である。この後、墓は空になっていて、イエスは復活した、と続いていく。

さて、気づかれた方もいるだろうが、引用した聖書によれば、イエスが復活した日(日曜日)は「週の初めの日」として書かれている。ちなみに「安息日」はユダヤ教の土曜日である。イエスが生きた時代、および聖書が書かれたのはユダヤ教信仰の時代であったから、こう書かれたのである。

詳しくは別に書くことにするが、ユダヤ教では週の始まりは日曜日、そして土曜日が休みの日である。休みというのは正確ではない。土曜は礼拝の日である。それが、キリスト教が興《おこ》って、ローマ帝国の国教となる歴史の過程で、イエスが復活した(と信じている)日曜が礼拝日になっていったのだろう。

このことから、ロシア語の曜日名には、キリスト教の影響が強く伺えるのである。キリスト教伝来以前にもロシア語の元となる言語(ロシア語はスラブ語系の言語である)はあったのはずで、その頃にはどのように曜日を扱っていたのか興味がわいてくる。

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