キルギス語で「専門職」「特殊技能保持者」「実行する人」などを表す接尾辞がある。日本語で言えば「~人」(例:料理人、案内人)、「~者」(例:司会者)、「~手」(例:運転手)、「~師(士)」(例:消防士、看護師)が対応する。
キルギス語の場合、接尾辞の前にある母音に対応して接尾辞の発音も「~チュ」とか「~チ」という感じになる。
例えば、“羊”を表すкой /コイ/にこの接尾辞が付くとкойчу /コイチュ/となり、「羊の仕事をする人」すなわち「羊飼い」を表す単語になる。
キルギスの民族楽器комуз /コムズ/にこの接尾辞を付けてкомузчу /コムズチュ/となり、「コムズを弾く人」「コムズ演奏家」となる。
沖縄の方言では、“沖縄島民“のことを「うちなんちゅ」と呼ぶようだし、“島民“は「しまんちゅ」と呼ぶようだ。“海人“と書いて「うみんちゅ」とも読むらしい。沖縄旅行の土産なのだか、そういう文字がプリントされたシャツを着ている人もたまに見かける。これらの最後に付いている「~ちゅ」という音は、「~の人」というニュアンスであろう。
キルギス語の「~チュ」というのと、沖縄方言の「~ちゅ」は音と使われ方が似ている。おそらく語源をたどれば同じ所に行き着くのではないかと、素人考えをしているのだが、そういうことを研究してくれている言語学者はいないものかしらん?
キルギスと沖縄の共通点と言うと、キルギスのコムズも、沖縄の三線《さんしん》も、共に弦が3本の楽器である。それを言うと三味線も同類であるが、調弦の仕方では三味線はちょっと独自の発展をしたのではないか? 実は三味線のことは知らないので推量でしかないのだが…。もちろん、伝来の流れで言えば、大陸のほうから日本に入って来たのは間違いない。
楽器とか、言葉の共通点から、キルギスと沖縄を結びつけるルートが検証できれば面白そうだなと思ったので記した。
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