2011/12/28

エディニッツァ(携帯デポジット)

キルギスに限らず、日本や一部の国を除いて、携帯電話はプリペイド式になっている。通信会社ごとに販売しているSIMカードを、携帯電話端末に差し込めば、すぐにその場で通話が可能である。

料金は予め支払っておき(=デポジット)、そこから通話した分だけ引かれていき、デポジットがなくなれば通話ができなくなる。ただし、これは発信する場合の話であり、他人からかかってくる通話を受信するのはデポジットがなくてもできる。

そのためか、たまにワンコールだけ鳴らして電話を切る人がいる。いわゆる「ワン切り」というやつである。携帯に受信番号の履歴が残る(アドレス帳に登録してあれば名前も分かる)ので、かけ直そうと思えばかけ直せるのであるが、相手に料金を負担させんがためのワン切りというのはマナー違反だと私は思うので、そういう電話には出んわ。(←聞き流してネ)

携帯のデポジットのことをキルギスではединица /エディニッツァ/ と呼んでいる。ロシア語で「単位」を意味する言葉である。ロシアでもエディニッツァと呼んでいるのかは分からない。ロシア語辞書を見ても「携帯電話のデポジット」とは書いてない。携帯が普及して以降の語法であろう。

デポジットを入金するのは、キルギスの場合、入金の取り扱いをしている商店などで、電話番号を伝え、入金する額を店員に渡す。あとは店員が入金操作をしてくれる。この際、店側は手数料として5ソム(8円)くらいを定額で徴収する。3ソムの所もある。定額なので、入金額が大きいほど手数料は割安になる。

私は、大抵、一度の入金で200ソム(手数料を引かれて195ソム)を払うことにしているが、現地の人たちの入金額を見ると驚く(店の人は、依頼された番号と入金額をノートに書くので、他の人の入金額を覗くことができる)。

多くの場合、一度の入金額が20~40ソム。多い人でも50ソム。20ソムのうち手数料は5ソムだから、実に支払額のうち4分の1は手数料である。ということは、4回、20ソムの入金を繰り返せば、手数料だけで20ソム払ったことになる。そう計算すれば、少額で入金することの不経済は明らかだと思うのだが、キルギス人にとっては少額ずつ入金するほうが普通のようなのである。

「一度に200ソムも払う余裕がないのではないか?」という疑問もあるが、絶対に払えない額ではない。それに、手数料のことを考えれば、結果的に安いのはどちらかは明らかであるから、余裕がないならばなおさらまとめて多く払うべきなのである。しかし、どういう訳かそういう発想に到らないらしい。不思議で仕方ない。

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