2011/11/29

「料理隊員」なる存在

青年海外協力隊の隊員は、それぞれ活動にあたっての職種がある。仕組みとしては、途上国の側からの「これこれこういう仕事ができる人、何々についての知識・経験がある人にボランティアで来てほしい」という要請が出され、その要請に関する職種に対して、JICAが日本でボランティアの募集・採用を行った後、当該国にボランティアが派遣される。
私の職種は「養護」となる。JICAが募集している協力隊の職種については、ネットで確認できるので、関心があれば一度ご覧になってみると良い。
隊員一人ひとりは、それぞれに職種があるのだが、その中に「料理」隊員と呼ばれる隊員が存在する。協力隊の職種の中に「料理」というのがあるのだが、ここで言う料理隊員とは公式な職種ではなく、非公式な職種である。単純に言えば「料理が得意な人」のことである。
私の協力隊での経験、また見聞した所では、協力隊あるところに料理隊員は必ずいる。
料理隊員の中には、日本で本当にプロとして料理屋で働いていた人もいるが、そうでない人でも趣味の延長で料理を得意とする人は多数存在する。これらの料理隊員が、隊員仲間での家飲み会で大活躍するのである。どこの派遣国においても、料理隊員は貴重な存在であると断言できる。
私もたまに隊員同士の集まりで台所に立つことがあるが、私の場合は「料理隊員」ではなく「料理好き隊員」であって、味や出来ばえの保証は何もない。ままごとの延長みたいなものである。だが、真の料理隊員の作る物は皆を本当に満足させる。料理隊員には本当に感謝感謝である。
料理が得意な隊員がいるということは、当然ながら料理を得意としない隊員もいる。そういう人は料理を避ける傾向にあるようだが、それはそれで仕方がない。誰にでも向き不向きがある。
料理苦手隊員は飲み会の時どうするか。飲み会には料理を作る他にも仕事があり、料理をしない人は「皿洗い隊員」となる。皿洗いも苦手な場合、「買い出し隊員」として活躍する道が残っている。動くのも苦手(億劫なだけか…)な人は、最後は「飲み食べ隊員」として、料理隊員が出してくれたものをおいしく食べるのみである。
食べるだけの人はちょっとずるいようにも思われるかも知れないが、出された料理をおいしくいただくというのも芸のひとつである。おいしく食べる人がいるからこそ、料理隊員がまた次回にも頑張ろうという気になるところもある。
katsudon
(料理隊員が作ったカツ丼。キルギスにある食材で
おいしい日本食を作るのも料理隊員の腕の見せ所。)

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