2011/10/26

「政治的な安定」について

ここ数年の日本の政治は、ほぼ一年ごとに首相が変わっていて、国内外から批判を受けたりもしているのだが、それで独裁的な政治になりにくいメリットもあるという論もあるようだから、良いのか悪いのかは一概には決められるものではなさそうである。

首相・内閣が一年周期で変われば、政治方針も変わるから、政治は不安定になるように思う。だが、この「政治が不安定」というのは、そういうことを指す言葉なのだろうか? と、ふと疑問に思った。

日本では、選挙結果が自分の支持政党・候補者に有利なものでなかったといって、革命が起きるという話は考えられない。だが、選挙の度に治安状況が悪くなり、投票前から各陣営が一色触発、場合によっては内戦になりかねないという国のニュースはいくつも聞く。

今年は「アラブの春」と呼ばれる、北アフリカ・中東の複数の国で、独裁者が民衆に打倒される歴史的な事件が起きた。つい数日前も40年独裁を続けた支配者が反対勢力に殺害された。独裁者が排除されたので、これで国民は安寧な生活が始められるのかと思えば、既に政治・宗教の立場の異なるグループの勢力争いが始まっているという。独裁政権がなくなればすぐに平和・自由な社会になる訳でないところに、人間社会の難しさか。

そのような問題は、政治の安定性というよりも、社会の安定性の問題なのかも知れぬ。社会が安定しているから、政権が短期間に変わり、政治が多少不安定になっても大丈夫なのか。

キルギスも大統領選挙前後で、一応、治安情勢の悪化に注意はしなければならない(村で生活している限り、不穏な雰囲気は今のところないが)。選挙の度に、暴動などの危険度が高くなるというのも、日本では想像しがたいことなのだが、世界にはそういう国が多くあることも事実なのだ。

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