2011/02/17

たまには詩もいいものだ

日本にいる時は小説も読むことが少なく、詩集の類はちゃんと読んだことがない。
先日、同期隊員が私のいる村に来て、夜は私のホームステイ先に泊まっていった際、どういう話の流れだったかは忘れたのだが、それぞれの好きな詩、印象に残っている詩の話題になった。覚えているフレーズでネット検索をして、それを朗読し合った。
一人があげたのが、茨木のり子「自分の感受性くらい」。この詩は私も知っている。昔、ラジオで紹介されているのを聞いて知った。私より10歳以上離れたその隊員によれば、高校の教科書(国語の?)に載っていたそうである。
自分の感受性ぐらい
茨木のり子


ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを

近親のせいにするな

なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性ぐらい

自分で守れ

ばかものよ

茨木のり子 詩集「自分の感受性ぐらい」(1977刊)所収
なお、この詩は次のサイトからコピーさせていただいた。複数のサイトでこの詩が掲載されていたが、著作権の問題はないのだろうかと気になりつつ、私もコピペしてしまった…。

http://www.matatabi.net/Poetry/ibaraki_01.html

現在のキルギス隊員の中で屈指の馬鹿者3人が、詩の最後の「ばかものよ」を気に入って、何か言うたび、するたびに「そんな分かり切ったことを訊くな、ばかものよ」「●●くらい自分でやれ、ばかものよ」と連発していた。ホントに馬鹿者である。

これ以外にも話題に上った出た詩もあったので、また別の時に紹介するつもりである。

2 件のコメント:

  1. >自分の感受性ぐらい

    自分で守れ

    ばかものよ


    これ俺の友達がめちゃ好きでした。

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  2. ayumuさん、いつもコメントありがとうございます。

    ayumuさんくらいの世代は、高校の教科書でこの詩を習ったんでしょうかね?(「世代」というよりも、採用していた教科書の違いなのかな?)

    好きな詩・句(フレーズ)のいくつかは、暗誦できるといいな、と思います。若いうちに、そういう言葉に出会っておくのって大切なんじゃないかと思います。
    (歳をとってからだと、記憶が悪くなるというよりも、言葉に対する感動が薄らいでしまうような気がします)

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